USTマミヤという物語 フィッターの橋添恵さんが語るシャフト開発の真実
my caddie編集部です。
ゴルフシャフトの世界に革新をもたらしてきたUSTマミヤ。その歩みは、単なる製品開発の歴史ではなく、釣り竿やカメラの技術から始まった“ものづくりの物語”でもあります。
今回はフィッターの橋添恵さんに、その物語の裏側と、最新作「ATTAS RX ULTRA BLACK(以下、ATTAS ULTRA)」に込められた開発の真実を伺いました。
──まず、USTマミヤの歴史を教えてください。
USTマミヤのルーツは釣り竿なんです。マミヤOPという会社が、もともと釣り竿やカメラを手掛けていて、そこで培われたカーボンの知見をゴルフシャフトに応用したのが始まりです。当時はスチールシャフト全盛でしたが、徐々にカーボンに移行していく時代で、私たちはそのパイオニアでした。
実は、USTマミヤのカーボン技術ってゴルフだけじゃないんです。陸上競技にも使われていて、今や棒高跳びのポールなんかにも広がっています。東京で開催されたこの前の世界陸上でも、女子棒高跳びで金メダルを獲ったケイティ・ムーン選手が使っているESSX社のポールに、うちのカーボンが採用されているんですよ。ゴルフで培った技術が、世界の舞台でアスリートを支えているのは本当に誇らしいですね。
──今のフィッティング現場では、どんな強みを感じますか?
一番は重量と硬さのレパートリーがとても多いことです。だから“合わない人がいない”に近い。小細工なしで誰かしらにピタッと合うものが必ずあるんです。フィッティングで3球打ってもらうと、だいたい1球目で『これだ!』という顔をされますよ。
──それは心強いですね。
ええ。先調子から元調子まで幅広くそろっていますし、2023年からはパワーヒッター向けのLIN-Qシリーズも加わりました。
だから、初心者ならATTAS SPEEDやULTRAの柔らかめ(4R、5R)を、上級者ならLIN-QやThe ATTAS V2を勧めることが多いですね。V2は“ミスがミスにならない”と評判で、まず最初に打ってほしい一本です。
──ブランド哲学についても伺いたいです。
キーワードは“Quality・Performance・Feel”です。トッププロだけでなく、アマチュアも含めて、誰もがパフォーマンスを最大化できるようにする。これがものづくりの基本です。
そして、USTマミヤは“距離が近いメーカー”だと思います。ユーザーとの距離はもちろん、企画と開発の距離、さらにはフィッティング現場と商品づくりの距離が近い。だから現場の声がすぐに開発に届き、スピーディーに形にできるんです。
──YouTube「USTマミヤチャンネル」もその延長線ですか?
そうです。公式情報を楽しくわかりやすく伝えたいんです。専門誌だと固くなりがちですが、私たちは“真面目にふざける”スタンス。ギア初心者でも理解できるように噛み砕いて説明し、USTマミヤらしさを感じてもらえたら嬉しいです。
──さて、注目の新製品「ATTAS ULTRA」について教えてください。
今回のテーマは“やさしい元調子”です。Tri-Sync Technologyという新しい構造で、横・斜め・縦のカーボン繊維を均一に重ねたシームレスな下地を採用しました。これによって振り抜きが良くて球が上がりやすく、スピンも減りすぎないんです。
──従来のDAAASとの違いは?
DAAASは中元調子で、手元が柔らかく先端が硬い“叩き系”。対してULTRAは全体がしなやかで、シームレスな振り心地が特長です。しかもバランスポイントを手元寄りにしているので、ヘッドが走りやすく、振りやすさも兼ね備えています。
──どんなゴルファーに合いますか?
先調子では合わないけれど球を上げたい人、あるいはチーピン持ちで左に曲がって欲しくないシャフトを探している人にぜひ試して欲しいですね。従来の元調子のデメリットを払拭した、全く新しい元調子だと思います。
──最後に、ゴルファーが自分に合う一本を見つけるには?
まずは必ず打ってみてください。ネットの評判だけでポチッと買う人が多いですが、それは危険です。試打会やフィッティングで実際に体感してください。大事なのは“一発の250ヤード”よりも、“5球連続で230ヤードを真ん中に運べる”シャフトを選ぶこと。安定がスコアにつながります。
橋添さんは、「私たちは、より多くのゴルファーにUSTマミヤのシャフトを手に取っていただきたいと思っています。かつて練習場で誰もが目にしていたように、再び多くのゴルファーの間で自然と選ばれる存在になりたいんです」と最後に語ってくれました。
新しいULTRAをはじめ、次々とリリースされるモデルには、その未来を切り拓く意志が込められています。USTマミヤは、単なるシャフトメーカーではありません。フィッター、開発者、ユーザーが近い距離でつながり、共にゴルフを楽しむ“パートナー”なのです。