新機能搭載アイアンとのマッチングを向上した新キューゴーマル 日本シャフトの試打会&トークショーレポート!

1999年、日本シャフトから「N.S.PRO 950GH」が登場。その20年後となる2019年9月5日に継承モデル「N.S.PRO 950GH neo(ネオ)」が発売された。

そんな20年ぶりに進化を果たしたキューゴーマルの試打会が、発売直後の8日、神奈川県のLINX(リンクス)新川崎で開催された。残暑の中で行われたトークショーでは、関雅史プロ&クラブフィッターの鹿又芳典氏がネオの特徴や20年前との違いなどをざっくばらんに語ってくれた。

9月5日に発売された「N.S.PRO 950GH neo(以下、ネオ)」は20年前に誕生した「N.S.PRO 950GH(以下、950)」の継承モデル。新機能搭載アイアンとのマッチングを向上した新キューゴーマルの特徴をお伝えしよう。

関雅史プロとクラブフィッターの鹿又芳典氏

950GHは打ったことのない人がいない

いよいよ発売になりました。
鹿又
待ち遠しかったんじゃないですか?
950GH(以下、「950」)は皆さんが知っていると思いますが、世界でスタンダードになったシャフトです。
鹿又
打ったことのない人がいないくらいですね。そのシャフトに「neo(以下、ネオ)」がつきました。QPさんは発売前から色々とやっていますよね?
3年くらい前から20周年というタイミングで切り替えるということで、テスターとして打っていました。最終的には10種類のモデルを作り、ネオになるのはどんなシャフトが良いのかテストさせて頂きました。
鹿又
QPさんの意見が反映されているかもしれない?
されていないと困るんですけど(笑)。
鹿又
開発に5~6年はかかりましたか?
5年かかりました。「950」は皆さんが打たれたことのあるシャフトで、逆に言い換えればどんな方でも打てるシャフトでした。

そこを損なわないのように性能を進化させるのが大事で、苦労した点でしたが本当に良いモデルになりました。クラブが20年前と比べて進化していて、やはり易しくなっています。
関雅史プロとクラブフィッターの鹿又芳典氏

20年前と比較するとロフトが立っている

鹿又
アイアンだと、どこが変わりましたか?
ボールが上がり易くなり、ミスに強い。そこが20年前と比べたら全然違うところでしょうね。
鹿又
よく話に出るのがアイアンのヘッドサイズはあまり変わっていない。ドライバーは大きさでいうと体積が倍になっているが、アイアンは倍になっていない。だからといって「そんなに進化していない」と言われると、そうじゃないですよね。
じわりじわりと大きくなっていき、ソール幅もだいぶ広くなりましたね。だから、シャフトも進化しなければいけないということで、作られたのがネオです。
鹿又
ロフトは変わってきますよね。
立ちましたよね。
鹿又
20年前に「950」が発売され、比べると番手でいうと1つは当たり前。プロモデルだと2、3番手違う。そうするとショートアイアンはいいですが、ミドルより上だと球が上がりにくくなってきます。そこをどう補うかと言えば、シャフトで補うことが一番簡単じゃないかと。

ネオは飛距離にも特化している

ギア猿という番組を博多華丸さんとやっていますが「飛ばない、飛ばない」と言われて…。
鹿又
でも飛んできましたよね?
大西ライオンさんとか飛ぶじゃないですか? みんな飛ばしたいんすよね(笑)。まぁ、ネオは飛距離にも特化しているシャフトなので華丸さんにもお勧めしたいです。
関雅史プロとクラブフィッターの鹿又芳典氏

ネオは球の出だしが高い

鹿又
実際に打ってみて、どういう動きをする印象ですか?
プロゴルファーという特権を使って、すでにアイアンにさして使っています(笑)。フレックスはXです。

私が使っているというと「男子プロなのに軽すぎる」と思われるかと思いますが、ネオの発表会の時、比嘉真美子プロが来たんです。比嘉プロの方が私よりヘッドスピードが速いと思うんですよ。
鹿又
QPさんは今まで何を使っていましたか?
モーダスの130です。
鹿又
ネオにすると軽くなりますが違和感はありましたか?
ないんですよね。比嘉プロが使ってちょうどいいのであれば、おっさんですし「こんなもんでしょ」って打ったら違和感がなかったです。
鹿又
何が変わりましたか?
やはり球が高くなるんです。同じヘッドでも高さが十分に出るので、止められる感じがします。特にラフに行った時とか、ちゃんと止まってくれるんですよ。それが非常に大きいです。
鹿又
重量が変わっても違和感なく振れていると。
全く問題ないです。
鹿又
自分が打った時は、本音で話しますが「950」は打ちにくかったです。タイミングが合いづらいという印象でした。

これはあくまでも評価ではなくプレーヤーとして打った印象ですが、ただ今回のネオは非常に打ちやすかったです。
具体的にどう違いましたか?
鹿又
ネオの方がセンターの剛性が強くなっているので、切り替えした時に手元側のしなりを感じやすいんです。なのでタイミングはすごく取りやすい。
手元が潰れた方がアイアンのシャフトとしてはタイミングが取りやすくなりますよね。
鹿又
打っていてフィーリングがすごく良くて、潰し気味に打ってみても打ち出しが高く出るんですよ。
そこですよね!
鹿又
今のアイアンヘッドは、スピン量はロフトが立っていることもあり、少なくなっています。スピン量が少なくなっている分、初速に転換されますが、それをどこで補うかと言えば打ち出しを高くするしかない。

それを打ち方でやろうとすると、ゴルフでボールを高くする打ち方って絶対よくないじゃないですか?
いわゆる、あおり打ちですね。あおり打ちはだいたいスイングが崩れますね。
鹿又
それがなく、そのまま自分のイメージで打つと、打ち出しでポーンと出てくれるので「これは使えるぞ」というイメージでした。
中間が硬い分、手元に柔らかさを感じます。手元がしなる元調子のシャフトは「低い球が出やすい」と思われがちですが、先が少し柔らかく動いてくれるため、高くボールを打ち上げてくれます。

ダウンスイングでゆっくり入ってきて、インパクト付近で先端がシュンとしなる。本当に振り心地のいいシャフトですよね。
鹿又
自分自身がそんなに飛ぶ方ではないので、アイアンは飛ぶの好きなんですよね。圧倒的に打ち出しが出ないと使い物にならないので、ネオはよく出来たシャフトという感じでした。
中間剛性の高さ、中間が硬いということは縦方向にはしなりずらい。ヘッドが大きいアイアンでも下に下がらないで、横に動くので飛ばす力も強くなります。
関雅史プロとクラブフィッターの鹿又芳典氏

ネオは新しいアプローチから作られたシャフト

鹿又
「950」とネオではスイングから見てどういう違いがありますか?
基本的にはどっちのモデルも、どんな方でも打てるという前提で聞いてください。動きで言うと逆っぽい。

手元側で負荷をかけて「ギュ」と振れる人は「950」がいいかな。「ぶら~ん」とヘッドの重さで打つ方はネオの方が合うかなと思います。
鹿又
クラブ的な話をすると、開発年度が大事だと思っていて「950」は20年前に発売されました。当時は今のヘッドから見ると操作性のいいヘッドが多かったので「950」はそういうタイプに合いそうです。

中空のアイアンヘッド、重心の位置がシャフトから遠いのものにはネオをさすと、打ち出しが出しやすいかなと思います。
プレーヤー目線からいうと「950」はよく言われていたのが「中折れ感がする」という意見がありました。

20年前は重いシャフトが流行っていて、当時多く使われていたツアー向けのシャフトとは違い、バネ鋼という弾きのいい素材を使っています。

しならせようとしているが、しなっていなくてビュンと出て行ってしまい、タイミングが合わなかったから「中折れ感がする」と言われていました。

ネオは手元側にしなりがあり、ダウンでしなやかさがあります。中折れ感は無視して打って頂いてもタイミングが取れるようになっています。
鹿又
ネオの方が振りやすいですか?
振りやすいですよね。中間剛性の高いネオは真ん中が硬い。「950」は真ん中がしなり、根元が硬い感じ。極端ではないですが、差はあるので違うカテゴリーとして打って頂くのもいいですね。
鹿又
自分がネオを打てなければいけない、という訳ではないですよね?
「950」が良いのであれば、それでいいと思いますし、ネオは新しいアプローチから作られた90gのシャフトだと思って頂ければと思います。
関雅史プロとクラブフィッターの鹿又芳典氏

90g台は軽量シャフトではなくなっている

20年前から比べて90g台が軽量ではなくなってきています。以前なら「950」が合う人は「アベレージ向けです」と言っていましたが、20年経ちまして、ドライバーの総重量が280gですか? 20年前とは選び方を変えて頂きたいです。軽い総重量になっているものに少しずつ慣れていくのに入れて頂きたいのがネオです。
鹿又
ドライバーが軽くなるじゃないですか? スイングは変わってきますか?
以前は重たいからクラブが落っこちる、オーバースイングで、ダウンでほどけることが多く、ヘッドの重さに負けていましたが、最近はあまりオーバースイングの方がいなくなりました。雑誌紙面等でもあまり取り上げられなくなりました。そうなると90gのシャフトがスタンダードな重さになって来たと思います。
鹿又
重たいシャフトを使うと「ダウンブローに打たないといけない」とも言われますが、逆に効率よく飛ばそうとすると「レベルに入れた方がいい」と言われます。
20年前のプロは高いところから落として打つ人が多かったですが、最近は非常に低くフラットな人が増えました。

ローリー・マキロイやリッキー・ファウラーなど、ああいう打ち方です。打ち込むのがマストじゃない時代に来ていますよね。
鹿又
シャフトプレーン上に振るイメージだと、重いクラブを使い過ぎると落ちてしまいますよね。そう考えると「950」とネオで、どっちが振りやすいかでタイプが分かってきますよね。
色々な可能性を感じますよね。
鹿又
ネオはすごくオールマイティなシャフト。フィッティングをする時に、色々な観点がありますが、プレーヤー目線だと切り返しでどのくらい負荷をかけられるか、この時に手元側をどのくらいしならせるか、それをどっちの方向にしならせているかでも剛性が変わります。

真ん中と先端の硬さは当てやすさに繋がります。真ん中が硬く、先が柔らかいのはタイミングが取りやすくて、当てやすいシャフトだと思います。今まで、このようなシャフトはスチールになく、カーボンに多かったです。打ってみると半分以上の方が「振りやすい」と感じると思います。

 関プロと鹿又氏のトークショーはネオの魅力たっぷりで終わった。進化したキューゴーマルは日本シャフトの試打会で体験できるので、是非テストしてもらいたい。

N.S.PRO シャフト 試打会情報

  • 日時
  • 場所
  • 主催
9月
10月
  • 10月20日(日)11:00~16:00
  • 神奈川県内ゴルフ練習場(東京都昭島市)
  • 日本シャフト(株)
11月
  • 11月16日(土)11:00~16:00
  • 会場未定
  • ALBA×パーゴルフ
12月

N.S.PRO 950 neo 製品情報

 この20年間でアイアンヘッドは大きな進化を遂げ、多くのアベレージゴルファーはマッスルバックから飛び系へとシフトしてきた。アイアンヘッドだけが進化しても、それにマッチするシャフトがなければ最高のパフォーマンスはできない。そこでネオが生まれた。

N.S.PRO 950 neo

 大型、ストロングロフトのアイアンヘッドに対応するため、肉厚調整・形状加工を施し最適な剛性分布とした。また、同時にスタンダードなグリップサイズ(15.24mm)にすることで、振りやすさが向上。これらの効果で、重心距離が長めのアイアンヘッドに装着しても球が高く上がり、適正なスピン量で打つことができる。

N.S.PRO 950 neo

 さらに、シャフト中間部の剛性を950より高めに設計することで、シャフト先端部のしなりをより感じることができる。スピン量が少なくライナー弾道になりがちなストロングロフトのアイアンヘッドとのマッチングでも、グリーンに止まる弾道で飛んで行く。また、95g(R)はアベレージゴルファーのドライバーとの重量マッチングに適した重さとなっている。

N.S.PRO 950 neo

ユーザーの声

 試打会に集まったユーザーに感想を聞いた。

「N.S.PRO MODUS3 TOUR 120」を使用している40代の男性は、「N.S.PRO 950GH」は合わなかったが「N.S.PRO 950GH neo」は「思った以上に打ちやすかったです。振りやすくて楽に球を上げてくれるので、買い替える時は検討したいです」と好感触。

 また、関プロのフィッティングを受け、勧められた「X(フレックス)は無理かなと思っていましたが、振ってみると意外に振れました」とネオであれば硬めのフレックスでもこの男性には合うと関プロは瞬時に判断したようだ。

ユーザーの声

「N.S.PRO MODUS3 TOUR 120」のXフレックスを使用している40代の男性は、「950GHだと軽すぎて暴れる感じがありましたが、ネオはそういうのがなかったです」と120g台から90g台になってもネオなら問題なし。また、「打ちに行かなくても、ある程度(シャフトが)振ってくれます。ヘッドの重さを感じて振れるのが良かったです」と、買い替える際の候補にすると話していた。

 フィッティングに関しては「絶対にこっち(ネオ)の方がいいと言って頂きました」とクラブ選びの達人からのアドバイスはとても良い経験になった。

ユーザーの声

 50代の男性は普段から重いシャフトを使用しているが、ネオを打ってみて「質が良いです。軽いけどしっかりしています」。950は以前使用していて良い球も出ていたが「飛距離が少しロスしてしまい、方向性が安定しませんでした」とパワーのあるこの男性には合わなかったようだ。

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