気になる「NEW TB-5 FORGED」アイアンの実力をHC10のアマとプロコーチが確かめてみた【前編】
2024年11月8日にフォーティーンから発売された「NEW TB-5 FORGED(フォージド)アイアン」。同社を代表するアイアンへと成長したこのモデルは、どのような進化を遂げているのでしょうか。ヘッドスピード40m/s、ハンディキャップ10のアマチュアとプロコーチによる試打レビューを2回にわたってお届けします。
今回はアマチュア代表として、ゴルフ関連の編集・ライターをしながら、YouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」のスタッフ等として活動している芥川順哉さんに試打して頂きました(以下、芥川さんのコメント)。
フォーティーンのYouTubeでも「前作の完成度が高く、隙がない」と同社の池田純さんが言及されていたくらい完成度が高く、ユーザー満足度も高かったという前作。「進化させるポイントが見つからなかった」というほどの完成度だったので、フェース長や重心位置、使用素材など、スペック的には大きな変更点はないとのことです。
確かに、パッと見た感想としては、前作とほとんど変わりがないと言っても差し支えないでしょう。細かい部分では、ネックにあった「FOURTEEN」の刻印が「FORGED」に変更され、ソールにあった「FORGED」の刻印がなくなっていることや、バックフェースの意匠がよく見ると少し違うくらい。
では、どこを改善したのかというと「打感」。具体的には、ソール形状を同社の「TB-7 FORGED アイアン」のように面取り加工を施すことにより、抜け感の向上を図っていることや、バックフェース側の肉の盛り方を変えたことで打感の向上に繋げているとのことです。
早速打ってみました。
シンプルでシャープな印象を与えるバックフェースのデザインですが、構えたときに適度に大きさがあって、安心感を覚えます。ほど良いグースとヒールの高さ、丸さがあり、ボールを包み込むようなやさしさを感じます。
実際に打ってみると、打感は硬すぎず、柔らかすぎず。フェース面のどこに当たったのか、どんな当たり方をしたのかというショットのインフォメーションを余すところなく手に伝えて来てくれます。
たぶん芯を外してもそこまで飛距離や方向性が悪くならない寛容性を持ちつつ、ショットの結果と手応えが感覚的に結びつきます。どんなミスをしたのかというフィードバックが手に残るので、上級者にはもちろん、これから更なる上達を目指す人にもいいと思いました。
前作から分かりやすく変更されているのが、ソールの形状です。
リーディングエッジ側とトレーリングエッジ側がかすかに面取りされています。これによりクラブヘッドが地面とコンタクトした時のクラブの入り方や、抜け感が向上しているとのこと。
この点については、練習場のマットの上からでは正直よく分らなかったため、後日コースに持ち出して検証し、ご報告したいと思います。
シャフトは2種類。スチールシャフトは日本シャフトと共同開発した「FS-90i」。こちらは前作同様のものとなっています。フレックスはS、Rがあり、今回試打したモデルにはRが装着されていました。シャフト重量は89グラム(Sは93グラム)。
全体的にじんわりとしなる印象で、タイミングの取りやすいシャフトです。重量的なことを考えると、ヘッドスピード42~43m/sくらいの方までは使えるのではないかと思います。
また、カーボンシャフト「FT-70i」の装着されたモデルも試打しました。
こちらの重量は70グラム(ワンフレックス)。重量の割に意外としっかり感のあるシャフトで、切り返しの早い、シャープなスイングをするゴルファーに合うシャフトだと感じました。いわゆる「軽硬」好きな方におすすめです。
また、多くのアイアンのカーボンシャフトは純正で50~60グラム台が用意されていることが多いのですが、このシャフトは70グラム台と重さがあるので、他社のユーティリティやフェアウェイウッドの純正シャフトを使用している方でも、クラブセットの繋がりが良くなるでしょう。
最後に、ピッチングウェッジから5番アイアンまで全番手の試打をしました。
最近多い複合素材を使用したアイアンではなく、単一素材によって作られていることもあり、打感や弾道に一貫性があります。打感や弾道の傾向が番手によって大きく変わることはありませんでした。また、構えた顔の印象も番手によって変わることなく、この辺りはさすがフォーティーンといったところ。
各番手のナイスショット時のキャリー飛距離(左)とトータル飛距離(右)は以下のようになりました(計測にはトラックマンを使用)。
PW 115yd 120yd
9I 125yd 130yd
8I 135yd 145yd
7I 145yd 155yd
6I 153yd 167yd
5I 153yd 173yd
6番アイアンまでは綺麗な飛距離の階段ができましたが、ドライバーのヘッドスピードが40m/sの私の力では、さすがに6番と5番のキャリーの差が出ませんでしたが、同じくらいのヘッドスピードの方は参考にして頂ければ。
次回は、学芸大ゴルフスタジオを主宰するプロコーチ、兼濱開人コーチによるインプレッションと、私がコースで実際に使ってみた感想をお届けします。
■We Love Fourteen特集はこちら
https://mycaddie.jp/feature/329/index.php