「やさしさ」でスコアを変える フォーティーンの新たなスタンダードウェッジ「FR-5」登場
2002年にフォーティーンが世に放った「MT-28」は、それまでのウェッジ観を一変させるスピンウェッジの時代を切り開いた。それから20年以上、今なおその流れを牽引する同社が2025年5月17日、新たなスタンダードとなるウェッジ「FR-5」をリリースする。
「当たり前のように使っているプロモデル、プレー中に“難しい”と感じたことはありませんか?」とこのモデルのメッセージは明快だ。
フォーティーンのクラブ開発には常にターゲットプレーヤーが存在し、それは例外なくアマチュアである。レベルに関係なく、スキルに応じたサポート機能を徹底的に追求することで、クラブ自体の進化を図るのがフォーティーンの姿勢だ。
「FR-5」開発の背景にあったのは、2022年に発売された「RM-α」。そのコンセプトは“シングルゴルファーを目指すためのウェッジ”だった。プロモデルの性能に、アマチュアが扱いやすい寛容性を加えた設計で、日本アマに複数回の出場経験がある企画部の池田純氏の実感がベースにある。
「普段のプレーなら難なくクリアできるようなアプローチでも、プレッシャーがかかる場面での1打はそうはいかない。当時私が使っていたプロモデルウェッジは機能がシビアだからこそ、若干のミスが結果に現れやすい。難なく寄せられるやさしいウェッジがあったらな、と痛感した経験が多くありました」(池田氏)
フォーティーンのプロモデルは「MT-28」「RM」、そして現在の「FRZ」と受け継がれてきて、その完成度は高いが、アマチュアが完全に使いこなすにはややシビアな面もある。トップアマであっても、プロとのスキル差が如実に出るのがショートゲーム。ミスの影響がダイレクトにスコアに跳ね返ることも珍しくない。
「FR-5」が追求したのは、多くのゴルファーが直感的に“打ちやすい”と感じる、汎用性の高いパフォーマンスだ。
開発担当の黒澤孝康氏は「フォーティーンには、かつてDJシリーズで完成させたユニバーサルソールがあります。『FR-5』のスタンダード設計において、この機能は欠かせませんでした」と語る。
このソールは、リーディングエッジに設けたバンパー機能によって、どんな入射角でもスムーズに抜けるのが特長。バンパーが地面に触れた瞬間、中央に自然とコンタクトが移り、適度なバウンスが効く。
「スクエアに構えてシンプルに打てる設計ですが、フェースを開閉するような応用技にも対応できる。どんな打ち方でも結果を支えるのがユニバーサルソールの強みです」(黒澤氏)
構造は複雑でも、使い手にとっては“ただやさしい”のが特徴だ。
ボールを包み込むようにとらえるグースネックは、やさしさの象徴。一方で、ストレートネックに慣れたゴルファーには構えにくさを感じさせることもある。
「『FR-5』はグースのやさしさとストレートの構えやすさを両立させたフィーリングを独自機能として実現させるために、ネックの緩曲線化に徹底的にこだわりました」(黒澤氏)
量産時の成形が難しいその設計を可能にしたのは、フォーティーンが誇る厳格な検品体制。デザイン性と実用性の高次元での融合が、「構えた瞬間に信頼できる」1本を実現している。
一般的にウェッジの溝は彫刻で成形されるが、「FR-5」ではあえて“鍛造”製法を採用している。
「昨今、鍛造製法の技術は飛躍的に進化しており、大量生産品において高い製品精度を実現できるメリットがあります。フェースの平面精度を極限まで高めながら、最高の溝精度を実現できる。『RM-α』や『DJ』シリーズなどフォーティーンの独自設計下における鍛造溝の実績は数多くあり、品質は確実です」(黒澤氏)
「FR-5」では「FR PROJECT」のデータに基づき、独自のレーザーミーリングも搭載。高スピン性能を追求。「フォーティーンが『MT-28』でスピンウェッジを生み出して以降他が次々に追随してスピン性能を誇示していますが、フォーティーンは負けない。良質なコンディションではいい勝負になるものの、悪いコンディションほどスピン性能の差が発揮されるのがフォーティーンのウェッジです」と黒澤氏。
スピンは弾道コントロールと距離感の要。「FR-5」は、ショートゲームを信頼で支える一本だ。
「ウェッジの性能の要はソールです。あらゆるライにおいてソールに、ほどいいサポート能力があるのが多くのアマチュアゴルファーにとって、“やさしい”と感じるはず。“やさしい”と自信が持てるウェッジは、自ずと距離感もよくなって、より狙う、寄せる感覚が研ぎ澄まされてくるもの。プレッシャーのかかった場面で何よりの強みになるはずです」(池田氏)
「FRZ」がプロモデルの鋭さ、「DJ-6」が究極のやさしさを体現しているとすれば、「FR-5」はその中間にあたるだろう。あらゆるアマチュアが信頼できる新たなスタンダードウェッジだ。プロモデルのシビアさに疲れた方、もっとショートゲームに安定を求めたい方に、この“やさしさ”を、ぜひ一度体感してほしい。