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ザ・“ちょうどいい”ウェッジ!? フォーティーン「FR-5」をHC10のアマチュアとプロが試打してみた【前編】

更新日:2025/06/06 12:37
ザ・“ちょうどいい”ウェッジ!? フォーティーン「FR-5」をHC10のアマチュアとプロが試打してみた【前編】

 

2025年5月17日にフォーティーンから発売されたウェッジ「FR-5」。同社には、現在アマチュアに大人気となっているベストセラーウェッジ「DJ-6」と、上級者からの支持を集めている「FRZ」があるが、ちょうどその中間の性格を持つウェッジとのこと。

そこで今回は、そんな新作ウェッジをゴルフライターの芥川順哉さん(HC10)と、YouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」でも活躍中の山田泰士プロに試打してもらい、その感想を2回にわたってお届けします。第1回目は、芥川さんです。

今回、FR-5を試打して感じたのは「ちょうどいい!」ということ。昔、「ちょうどえぇ!」という決め台詞で人気になった芸人さんがいらっしゃいましたが、その台詞が頭の中で繰り返し鳴り響きました。

では、いったいどんな点が「ちょうどいい」だったのか。大きく3つありましたので、それを解説していきたいと思います。

1.大きさが「ちょうどいい」

大き過ぎず、小さ過ぎないフェースサイズ


アイアンセットが、ピッチングウェッジまでのセット販売になるのが普通になって20年くらい経ちました。当然ユーザーは別売りの単品ウェッジを買い求めることになるのですが、意外とこの選択に困る人は多いと思います。

特に、マッスルバックやセミキャビティのようなアスリート向けアイアンでもなく、フルキャビティの、いわゆる「ゲームインプルーブメント」(初心者向け)アイアンでもない、中級者向けのアイアンを使用している人に、そのような人は多いと思います。

というのも、市場にあるウェッジのほとんどは、フォーティーンでいえば「FRZ」のような顔の小さいマッスルバック形状のもので、中級者向けアイアンを使用している人にとっては、少し顔が小さく、難しく感じるのです。

一方、「DJ-6」のような顔が大きくやさしいウェッジも市場にはあります。こちらは、フルキャビティアイアンからの流れならバッチリなのですが、中級者向けアイアンの利用者にとっては、少し鈍重な、やぼったい印象があると思います。

しかし、そんな中級者向けアイアンを利用している人の数は意外と多いはず(私もその一人です)。フォーティーンでいえば、大ヒットアイアン「TB-5」がまさにそれで、今回のFR-5は、TB-5ユーザーを始めとした中級者向けアイアン利用者にとってはドンピシャに使いやすい大きさのウェッジになっていると感じました。

2.グースが「ちょうどいい」

左FR-5、右DJ-6(58度)。FR-5の方が僅かにコンパクトで絶妙なグース加減


ウェッジの構えやすさに大きく関係しているのが、グースの度合いです。

いわゆる初心者向けのウェッジの場合、グースが大きめになっていて、やさしさは感じるものの、ある程度の技量を持つゴルファーにとってはそれによって構えにくくなってしまうもの。

一方、小顔のウェッジは、よく”出っ歯”とも言われるストレートネックが主流。開いたり閉じたりなどの操作性には優れますが、逆にその繊細な扱いを必要とする性能に対してプレッシャーを感じることも少なくありません。特に、アプローチのような緊張する場面では、このクラブから受けるプレッシャーの影響は小さくありません。

そしてこのFR-5。

すっと置いたときに、絶妙なふところ具合から安心感が得られる一方、多少のフェースの開閉にもついてきてくれそうな操作性も感じられます。

ゴルフクラブはよくクルマに例えられますが、初心者向けウェッジがオートマのファミリーカー、小顔のウェッジがマニュアルのレーシングカーだとすると、このFR-5はパドルシフト付きのスポーツカーや高級セダンのような操作性や安心感だと思いました。

そこまで大きくフェースを開閉して使うことはあまりないけど、ちょっとした操作感は欲しい、そんな中級者のニーズにピッタリなウェッジだと思います。

3.重さが「ちょうどいい」

重さ111gの「N.S.PRO TS-101w」。この重さがなんとも心地良い


そして何より、私が一番強調したいのが、「重さ」。

多くのアマチュアゴルファーのヘッドスピードが40m/s前後で、アイアンには80~90グラム台のシャフトを使用していると思います。

市販のウェッジの純正シャフトの多くは、120グラム台か90グラム台となっています。

アイアンシャフトが80~90グラムの人にとって、ウェッジのシャフトが120グラムは重過ぎるし、アイアンと同じくらいの90グラム台では軽いと常日頃から思っていました。

今回試打したクラブは、フォーティーンが日本シャフトと共同開発した「N.S.PRO TS-101w」という111グラムのシャフト。

この重さが、まさに重過ぎず、軽過ぎずで「ちょうどいい」わけです。

大量生産されている120グラム台や90グラム台のシャフトを純正採用すれば、その分コストは抑えられますが、あえてそうせず、コストをかけてでも適正な重さのシャフトを開発して採用しようというその心意気や良し!です。

ちなみに、120グラム台の重量級シャフトをアイアンで使用している人には、「N.S.PRO TS-114w_Ver2」という125グラムのシャフトも用意されているのでご安心を。

基本に忠実なスイングをすると、それに応えてくれるウェッジ

フィードバックがあるから、ウェッジと「会話」をしているような気分になれる


さて、実際に打ってみてどうだったのかというと…。

まず、打感ですが、極端に軟らかいとか硬いということはなく、しっかりと芯のある、くっきりとした打感です。打感がぼやけていません。

そのおかげもあって、ある程度の寛容性はあるものの、そこまでお助け感のあるウェッジではなく、ミスをしたときにしっかりとミスのフィードバックが手に伝わってきます。これ、上達を目指す上では非常に重要なポイントです。

スイングは、変にテクニックを弄さず、基本に忠実に動かしてあげれば、ウェッジがそれに応えてくれるという感じです。

具体的に言うと、テークバック時に少しコックを入れてあげると、ソールが上手く使えてきれいにボールが拾えました。

特に印象的だったのは、ラフから打ったとき。

フェアウェイから打ったときよりもヘッドの効きが感じられ、ラフの抵抗に負けずにしっかりと球を拾ってくれ、多少芯を外してもしっかりとボールを意図通りに運んでくれました。

前述しましたが、TB-5のような中級者向けアイアンを使用している人に、まさに「ちょうどいい」ウェッジです。

「ちょうどいいウェッジがない」と悩んでいる方、ぜひ一度試してみてください。

(撮影協力:カレドニアン・ゴルフクラブ)

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