世界のツアープロから評価を受ける製品を次々と生み出している総合シャフトメーカーの日本シャフト。2019年3月22日(金)~24日(日)に開催されたジャパンゴルフフェア2019の同社ブースでは、契約選手でメジャー通算7勝を誇るカリー・ウェブプロによるトークショーが開催されるなど、大きな盛り上がりを見せた。3月に発売となった新製品「N.S.PRO Regio Formula+」も展示されたブースの様子をお届けする。
ゴルフフェア初日に行われたカリー・ウェブプロのトークショーには、平日にも関わらずブースをはみ出さんばかりのギャラリーが集まった。
ここでは、QPこと関雅史プロとのトークショーの模様をお伝えしよう。
「まずは基本を身に着けることが大事」
QPプロ:
カリーさんは、日本がお好きだということですが、日本に来たのはいつ頃ですか?
カリー・ウェブプロ:
日本は大好きな場所です。初めて来たのは1996年のルーキーの年ですね。その時から日本が大好きで、その時の大会では3位か4位で良い成績を出した記憶がありますし、それからずっと日本に来続けています。いつか色々な日本の場所を回ってみたいと思っています。
QPプロ:
カリーさんがゴルフを始めたのは何歳くらいですか?
カリー・ウェブプロ:
ゴルフを始めたのは8歳の時で、その時はただ楽しむだけのゴルフでした。土曜日に週に1回だけレッスンを受けました。その時に教えてもらったいわゆるクラブチャンピオンの方に、以来ずっと教えてもらっています。
QPプロ:
カリーさんはジュニアのころの練習法で何か思い出に残っているものはありますか?
カリー・ウェブプロ:
ジュニアの時は本当にゴルフを楽しんだ記憶が多いです。ジュニアの皆さんへのアドバイスは、まずレッスンを受けてもらいたい。基本をまずは身につけてもらいたいですね。そこから自分でこだわって、ドリルなどの練習などをするのはもう少し年齢を重ねてからで良いけれども、最初はとにかくゴルフを楽しむこと。そして基本を身につけることが大事だと思います。
世界ランキング1位だったあの選手との戦いが自信に
QPプロ:
プロを意識するようになったのはきっかけは?
カリー・ウェブプロ:
実はゴルフを楽しんでいる時期は他のスポーツも同時にやっていました。それこそタップダンスやギターもやっていましたよ。ティーンエージャーになって本気でプロのゴルファーになりたいと思い始めてからは、放課後毎日練習するようになったんです。何かきっかけがあったというよりも、緩やかにプロを目指す方向に向かっていきました。
QPプロ:
ジュニア時代の成績はどうでした?
カリー・ウェブプロ:
ジュニアの頃は偉業を残したわけではなく、いくつかコースレコードを出したくらいです。アマチュアの最後の年は多分当時のオーストラリアで一番強いアマチュアだった記憶がありますが、本当に記録や優勝というもののドアが開き始めたのはプロになってからだと思います。
QPプロ:
とても意外ですよね。プロ入り後はすぐに結果は出ましたか?
カリー・ウェブプロ:
20歳になる直前にプロ宣言をしたのですが、そのすぐ後にオーストラリア女子オープンとオーストラリアのマスターズに出場しました。そのマスターズでローラ・デービスさんに次ぐ2位になったのが自分にとってすごく自信になりました。最終組でローラ・デービスさんとプレーでき、飛距離では敵いませんでしたが、それ以外の面では当時世界ランキング1位だったローラ・デービスさんと戦えるんだという自信がつきました。
「宮里藍選手からは何か特別なものを感じた」
QPプロ:
メジャーで7度勝ち、賞金女王も3回獲っていますが、どうやってモチベーションを維持しているのですか?
カリー・ウェブプロ:
まずは幼少期からプロになりたいという夢があったので、モチベーションとしてはそれだけでも十分でしたが、やっぱり成功するにつれてもっともっとという欲が強くなります。もう1つは、種目によっては女性がプロの選手として活躍するのはかなり厳しい状況がある中で、ゴルフは自分に数年にわたって多くのチャンスを与えてくれているので、そういったチャンスを生かしたいということが根源にあると思います。自分が1日を振り返った時にやれることがあったけどやりきれなかったとか、もっとこういうことが出来たんじゃないかと後悔して終わるというのは絶対にしたくはないタイプです。
QPプロ:
休みの日もゴルフをしているんですか?それとも全く別のことをしているのでしょうか?
カリー・ウェブプロ:
トレーニング期間でないときは、そんなにトレーニングはやっていませんが、楽しく回るようなゴルフはやっていますよ。
QPプロ:
多くのトーナメントプレイヤーが友人にいらっしゃると思いますが、特に誰と仲が良いですか?
カリー・ウェブプロ:
実は本当に仲の良かった同世代のプレイヤーの多くはもうトーナメントは引退してしまっているんです。サラ・ジュン・スミス、メリッサ・リード、あと若い選手でいうとミンジ・リーとか自分のファンデーション出身の選手たちとは仲が良いです。
QPプロ:
若い選手にすごく慕われているイメージがあるのですが、若いゴルファーに伝えてることは何かありますか?
カリー・ウェブプロ:
選手によって色々なニーズがありますので、それによって違うアドバイスをしています。特に宮里藍選手からは何か特別なものを感じましたが、まさか世界1位になるような選手になるとは想像していませんでした。成長曲線というのは人によって違うので、そういう意味で誰が化けるのかというのは分からないですよね。
「工場を訪れて、更にこのシャフトが好きに」
QPプロ:
日本シャフトさんとのお付き合いは何年くらいになりますか?
カリー・ウェブプロ:
16年くらい使っています。
QPプロ:
契約に至った経緯は?
カリー・ウェブプロ:
出会いは20年前に契約していたメーカーからの紹介だったんです。当時は軽量のスチールシャフトがあまり無かったので、重い鉄のシャフトを使っていたのですが、メーカーの人に軽量の日本シャフトの製品を使ってみたらどうと言われて試してみてからは、もうそれ一筋で変えようとも思いません。
QPプロ:
長野県の駒ケ根にある日本シャフトさんの工場にも行かれたんですよね?
カリー・ウェブプロ:
はい。駒ケ根の工場を訪れて、更にこのシャフトが好きになりました。その理由としては品質の高さ、生産者のこだわり、ただの流れ作業でボタンを押したら機械でどんどん流れて作っていくのではなくて、要所には全て人の手によってチェックをしている姿を見て、より好きになりましたね。
QPプロ:
アイアンとドライバーのシャフトが同じ工場で作られているので、そのマッチングもとれるということですね。
カリー・ウェブプロ:
全く同感です。アイアンからドライバー、ドライバーからアイアンへの流れで同じフィーリングがあるということはとても大切です。ツアーでは選手が、どちらか片方だけが上手くいって、もう片方は上手くいかないと話しているのをよく聞きます。私がそのような問題を一切感じないのは、同じメーカーで作ることでブランドのばらつきや、クオリティーのばらつきを無くしているからだと考えています。
QPプロ:
最後に日本のファンに一言お願いします。
カリー・ウェブプロ:
本日は私のために来ていただき、私もサポートしていただいている、皆さんも使っている日本シャフトをサポートしていただき、本当にありがとうございます。今まで応援していただいた方々の愛情をすごく感じていますし、同じ愛情を皆さんにお返ししたいので、これからもたくさん会える機会を楽しみにしています。