冬の薄芝でも安心!進化したキャニオンソールの実力とは? DJ-6ウェッジをプロと検証してみた
今回は、より簡単にアプローチができるTKウェッジから、一つ上のゴルフを目指すDJシリーズの最新作「DJ-6」ウェッジを、冬の薄い芝にも強い味方になるということで試打させて頂きました。
お借りした試打クラブは、52度(実測値でライ角は63.5度、長さは35.25インチ、バランスはD2.5、総重量は464g)と58度(ライ角は64度、長さは35インチ、バランスはD3.5、総重量は469g)。ともにTS-114w Ver2シャフトです。
最初にクラブを手にした時、TKシリーズとは異なるソールの形状にとても興味を持ち、実際に枯芝の上で構えて見ると、通常のウェッジの場合はバウンスが地面に当たるのでリーディングエッジが浮くようになります。
しかし、DJ-6ウェッジの場合、ソールの形状とトゥヒールのバランスにより、薄い芝の上でもソールは地面に当たっているのにヘッドが沈み、構えが安定することを不思議に感じました。
それは何故なのか?は、DJシリーズの開発コンセプト、メーカーホームページでの紹介文にあるように「ダブっていい!のその先へ!!アマチュアゴルファーがよりやさしく、より楽しくプレーする為のブランド」。
ダフってもボールを上手く飛ばしてくれるDJ-6ウェッジは、DJシリーズ史上最もダフりに強いことを追求し、その特長である「新キャニオンソール」と「W逆テーパーブレードとシアターブレードを組み合わせ、ヘッドの重量配分を最適化」をしたことで構えた時に安定し、インパクトではヘッドのブレを感じさせない、そんなクラブに感じました。
ゴルフクラブは本来、クラブシャフトの長さを通じてクラブヘッドのスイートスポットでボールを打ちます。その時のクラブの動きは、トップオブスイングから切り返しでクラブヘッドは落下し、クラブシャフトの先端に遠心力が働きます。体が左股関節上で回転することでシャフトの先端がボール方向に振られ、クラブヘッドは落下しながら左に回転するようにボールを捕えるインパクトを迎えます。
マニアックな話になりますが、このように動きながらボールを捕えるということで、フォーティーンのYouTubeチャンネルの動画でも、ソール形状やヘッド全体の重量配分、重心距離、重心高、重心角、重心深度、フェイスプログレッションをメーカーの方々は意識し、モノ作りをしています。
実際に打って見ると新キャニオンソールの機能性に驚きを感じます。アドレス時にキャニオンソールの谷間があることで、薄い芝でもヘッドが浮かないと印象を受けましたが、いざ打って見るとバンパーソールが地面に当たり、クラブヘッドの回転が谷間の平らな面を滑り、キャニオンバンスが適度にヘッドを跳ね上げてくれることにより、何事もなくヘッドが抜けて行く。上級者の求める「ボールを運ぶ感じ」が多少のミスをナシにしてくれます。
また、スピンは、想像以上に掛かるので、キャニオンバンスが跳ね上げることで(ロフトによる打ち出し角が違えど)思ったよりもキャリーが出てくれる分、丁度良い感じが出せました。
せっかくなので冬の薄い芝からだけでなく、58度でバンカーショットも打ってみました。フォーティーンのYouTubeチャンネルで、フェースを開かずに打っている動画を見ていたので、キャニオンバウンスがどのくらい砂を押してくれるのか興味がありました。
実際に打ったところ、バンパーソールが少し刺さり気味に砂に当たり、谷間部分が砂に当たらずキャニオンバンスが砂を押してくれるので、アプローチ同様に打ってもエクスプロージョンショットになる。100切りゴルファーに強い味方になってくれるウェッジです。
最後にフェースを開いてのバンカーショットも試してみました。フェースを開いて構えてもクラブヘッドの重量配分をバランスよく感じ、開いたことによって谷間部分が砂を滑り、クラブヘッドの回転をスムーズに送り出してくれるのでキャニオンバンスがより強く砂を押し、ボールを運ぶように打ち出すことが出来ました。
DJ-6ウェッジのまとめとして、見た目は、普通のウェッジ、中身は設計コンセプトに基づき使い易さを追求した、100切りゴルファーが更なる上達を求める上でクラブの動きを教えてくれるそんなウェッジです。アプローチとバンカーショットのどちらのショットでも考え過ぎず、普通にクラブを振ることで対応が出来ます。
■山下圭一
日本プロゴルフ協会会員 ティーチングプロ。数々のゴルフスクールで多くの生徒さんを教え、その後クラブメーカー立ち上げスタッフとしてクラブ開発やレッスンを10 年以上行ってきました。クラブの使い方から体の構造に従ったスイング動作を論理的に指導している。
■撮影協力
八王子エースガーデン
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